あれから一年が経ち……

俺は、高校二年生になった

















『では、真白くん
自己紹介してくれる?』






「はい。
俺は、真白 奏多っていいます

これからよろしくお願いします!」
















二年生になり、少し経ったとき
俺のクラスに転校生が来た





















『や、ヤバい……っ!
超カッコ良いんだけど…っ////!』




『名前もカッコよすぎ!』




『森くんと真白くんなら…
どっちがカッコ良いかな…っ////!?』




















転校生は、早々に女子のハートを掴み
男子の嫉妬をかった


















『じゃあ、席は………
森くんの隣が空いてるから、そこに座って

森くん、真白くんに色々教えてあげてね?』




「はい。分かりましたー」
















真白くんは、女子の熱い視線を受けながら俺に近づいてきて、隣に座った


















「よろしくね、えっ…と………」




「美咲でいいよ。俺も奏多って呼ぶから」




「分かったよ。よろしくな、美咲」



















俺は、普段下の名前で呼ばれるのを嫌うが……

自分から下の名前で呼んでいいと言ったのは初めてだった




奏多は、俺の女みたいな名前を聞いても馬鹿にせず、笑顔で握手を求めてきた


そんな奏多に俺は心を許して
転校初日で、奏多と親友にまでなった

















「なあ、美咲〜」



「ん?どうした?」






















奏多と学校帰りにゲーセンで遊んで
帰ろうとしていたら、奏多が俺を見て
ニヤニヤと笑って名前を呼んできた





















「美咲って、お姉さんいるらしいな〜?
しかも、すげぇ美人なお姉さん!

紹介してくれよ〜」






「お前ー、誰から聞いたんだよ」
























俺に近づいてくる男は、大抵この言葉を言う

まさか、奏多までこんなこと言ってくるとは思わず俺は驚きつつも呆れていた
























「お前、そんな顔してるんだから
女に困ってねぇだろ?」





「まあ、女には困ってねぇけど……
一度見てみたいじゃん?

美人って噂されてるお姉様を!」






「やめておけ
絶対に後悔するから」





「後悔………?」



















そう後悔だよ……!
桜姉に会ったら最後……

骨抜きにされ、捨てられるのがオチだ



















「フッ………

後悔なら、もうとっくにしてるよ……」





「えっ…………?」






















俺は、その言葉に驚き奏多を見ると……

奏多は怖いくらい冷めた表情をしていて
俺は背筋がゾワリと逆立った























「いいから紹介してよ、美咲

私たち、二人だけの姉弟でしょう?」





「えっ…………」



















この言葉……

忘れもしない


ま、まさか………


















「つ、椿姉…………?」





















俺がそう言うと、奏多はニコリと微笑んだ

















桜姉………

ケンカはまだ終わってないよ……



桜姉……

椿姉が戻ってきた………



















俺は、これから起こることに恐怖を抱きながら

奏多をただ見つめていた