ケータイ小説 野いちご

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あしたも天気になぁれ♪

ずっと俺の家族


保育所で飾った絵によって、よく事情のわからない友だちに
「お前の父ちゃんはじいちゃんじゃないかよ!お兄ちゃんが父ちゃんじゃねーか!」と
からかわれて男の子相手にケンカをしたり、おねしょを隠したことで俺と言い争いになったり、さっきまで飛び跳ねて遊んでたと思ったら急に熱を出したりと、幼い麻実との二人暮らしは甘くない。
だけどほんの少しの麻実の成長が心から微笑ましく、そして誇りに思う。
麻実が小さな手で教えてくれたことがたくさんあるのだ。
面倒でも引き受けてよかった。
麻実がそのうちお風呂で背中を流してくれることも、自分から抱きついてくることもなくなるのだと思うと、少し淋しい。
けれど、いつか麻実がグリンピースのうたを歌いながら俺にオムライスを作ってくれるのも悪くない。
いつまでも俺は紛れもなく麻実の兄なのだから。
泣きたくなったら兄ちゃんにしがみつく麻実でいてほしい。
だから今、こうしてお前を愛おしく抱きしめる兄ちゃんを受け止めてほしい。
きっとそのうち許してくれなくなるだろうから。
会社でも俺のシスコンが周知の事実になったことは、言うまでもない。
「お兄ちゃんっ。和樹お兄ちゃん!はーやーくー、起きて!」
麻実、今はお兄ちゃん、まだお前といるこの夢から覚めたくない。
くすぐったらキャハハと声をあげて笑うその笑顔をもっと作りたい。
父さんとお母さんが治ったら4人で海でも行こうか。

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