ケータイ小説 野いちご

あしたも天気になぁれ♪

お風呂もねんねも一緒に

明くる朝。
パタパタパタパタと足音が忙しなくうるさい。
ケータイに手を伸ばし半目で時間を確認すると7:30。
せっかく休みを取ったんだし、昨日は精神的に疲れたからと心で言っても麻実は許してくれない。
「兄ちゃん、保育園の時間です。和輝兄ちゃん!保育園!遅れちゃう!」
あ、あぁ、保育園か。
冷静に頭で再生したところで飛び起きる。
しまった、自分の休みは取ったが、麻実の休みは取っていない。
保育園に通っていることなど、すっかり忘れていた。
俺はとりあえず麻実に今日はお休みと言って、保育園に電話を入れる。
また通えるようになる正確なメドが立っていない事情も添えて。
するとどんどん俺の節穴が見えてくる。
今日は呑気にしていられる休みではないのだ。
麻実の保育園を休みにして終わりではないことに今さら気づき、俺はパジャマのまま一時保育の保育所を近所で検索し始める。
お腹空いたと横で叫ぶ麻実に袋ごとロールパンを渡すと明らかに拗ねていたけど、今は許せ。
なんとか俺の終業時間まで見てもらえるところを見つけ、頭を下げる。
車があってよかった。
それから麻実の着替えがたいしてないことに気づき、迷う。
半年という長さを考えてこっちで買うか、消耗品とは訳が違うので2時間半かけて取りに戻るか。
でもまた昨日のように泣きわめかれたら面倒だなとも思ったが、しばらく会えないのだから状況を理解した上で麻実を両親に会わせておくべきかと考えて、麻実と地元へ向かう。
少しでも長く両親と居られるよう先に病院へ行き、麻実を置いて俺だけ実家へ戻った。
自分の実家といえど、麻実の部屋は触れたこともないので、目的物を見つけるのも一苦労だ。
ついでに父さんと奥さんの着替えとタオルも持って病院へ戻る。
明日からはすぐに仕事なので、帰るぞと言うと麻実はもう?とつまらなさそうに返す。
でも嫌そうに駄々をこねるようなことはなくて、内心ほっとした。
車の中で、兄ちゃんと暮らす間は保育園も違うお友だちのとこだけど許してなと軽く説明。
新しいお友だちを父さんとお母さんに紹介してもいいのかと確認されたので、いいよと言うと意外にもワクワクしている様子。
明日から1時間は早く起きなきゃな。
お風呂に一緒に入ると、俺が麻実のシャンプーをする代わりに麻実が小さな手で俺の背中を流してくれる。
こういうのも悪くない。
麻実の髪を乾かして、寝静まったのを見計らってタバコを…と思ったのに視線を感じる。
「寝れない」
そうか。
それなら添い寝を強いられる俺は兼ねて禁煙もできる訳だな。
結構な痛手だ。
父さんが見たら笑うだろうな。

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