*唯夏side*



リノに泣きながら別れを告げられてから1時間後、俺は真っ直ぐ家に向かっていた。


あ、少し訂正。


――俺も泣いてました。



18時、秋濱さんと会わないといけない。


違う、義務とかではなくて、俺がした選択だ。


1人の人を愛す、こんな事、俺にはもうできないと思ってた。



はぁ、と彼女にどう気持ちを伝えれば良いか考えながら歩いて、家の門の端が見えてきた時だ。


俺は自分の目を疑った。