「完全に骨までいっちゃってますねー」

「えっ!」


「全治…3ヶ月くらいでしょうか。
複雑骨折とまではいきませんが、折れ方が厄介な感じになっていますので。
自力の完治は厳しいでしょうね」


「……つまり?」




「入院、していただきます。
少なくとも、2週間は」



「オーノー!」







私、藤井奈々。


2週間後に、バスケの試合を控えた高校2年生。






「先生、嫌です!私、試合控えてるんです!」



私が思いっきり肩を揺らしても、先生は私の話に耳も傾けてくれない。





「入院の手続きは、この部屋を出て右に…」



私を呆れた顔で見つめるお母さんと、入院の手続きの話中。