「おはようございます」

伊都は、昨日と同じように理貴の食事を作りにオフィスにやって来た。


いつもなら、理貴はもう、この時間に起きて仕事をしているはずだ。


伊都は、他の部屋の中、理貴を探して見たけれど彼の姿が見えない。


出かけるなら、食事はいらないと連絡をくれることになっていた。


理貴は、そういう連絡は、きっちりしている。だとすると、理貴は家にいるはず。


確認していないのは、あと寝室だけ。

伊都は、ドアを開けるのをためらった。


寝室に使ってる部屋は、何もしなくていいと理貴に言われていたからだ。

伊都は、ドアの近くまで行って声をかけてみた。


返事はなかったけれど、人の声がしたような気がした。
「理貴さん?いらっしゃいますか?」

やっぱり、声がする。


伊都は、ドアをノックして、
中に入った。


理貴は、ベッドにいた。
うめき声はするけど、起き上がってこない。



「理貴さん?大丈夫ですか?」

返事がない。具合が悪いのかも。

伊都はベッドの方へ近づいた。

寝室には、入らないでと言われてるけど、具合が悪いんなら、緊急事態だ入るのも仕方ない。