どこをどう進んでいるのか、落ちないように掴まるだけで精一杯のあたしには全く分からなかった。

辺りは暗さを一気に増していた。
日が沈んだようだった。
春先でも山の気温はぐっと下がる。

こんな山の中、一体どこに向かって、、
不安が広がってきた時、一花さんがようやく止まった。



「着いたぞ。」




「着いたって、、どこにーー」

振り向くと、驚いた。
鬱蒼と広がっていた樹々は急に開け、
町があった!

「何ここ、、こんなところに、、

町なんてあったの?」

ログハウスのような小屋が見て取れた。
幾つかあるようだ。

それらと一花さんを交互に見る。

「忍者の町だ。」