「、、む、六車さん、、」

「はい?六車で構いません。他の者も、全て素性を隠すための偽名ですから。」
「ぁ、、」
あたしは自然と質問する相手をこの人に選んでいた。いちばん的確な回答をくれそうな気がしたんだと思う。背後で「あれ?僕に聞いてくれてもいいのに〜」という声はちょっと聞こえないフリをしておいて。。

「おばあちゃまが行ってしまったので、教えて欲しいんです。うまく、、話が飲み込めなくて。」
「はい。どこがわかりづらかったですか?
もう一度説明しましょうか?」

「忍者っていうのは、、」

「悩むな。、、受け容れろ。」びしっと横槍が入る。
きゃ〜、何この人、やっぱり怖い人なのかも、、顔がひきつりそうになる。
さっと六車が一花を見た。
「気にしないで。悪気はないから。続けて。」

「ん、、それはちょっとよくわからない話なんですが、、
おじいちゃ、祖父について聞きたいんです。」
外野が静かになった。

「祖父が見つかったというのは本当ですか?
元気にしてるんですか?」

「ええ。」

「よかっ、、」
「今のところは。」
ほっとしかけた気持ちがきゅっと締め付けられるようだった。