隣の席のあいつは、
嫌いだ。
いつもヘラヘラしていて、女の子を両手に抱えて歩いている。
それに、あいつの笑顔はいっつもわざとらしくて
貼り付けたような笑顔。
目だけが笑っていないんだ。
そんなあいつを気づけば観察している私は、
桐谷 日菜子 Kiriya Hinako
そして、
隣の席のあいつ、
金澤 大輝Kanazawa Daiki
名前の順で座っている席で
隣の私たち。
不幸なことにこれから先席替えは無い。
そんな自分の運の悪さに気づけばため息が漏れた。
そんな私のため息に気づいたやつは、
「なになにー?
日菜子ちゃんどうしたのー?」
と、ヘラヘラした笑顔を見せてくる。
そんなコイツにいらっとした私は、
「遊人には分かんないと思うよ?
それに、気安く私の名前を呼ばないで」
と、冷たく睨み返した、
「え〜?そんなこと言わないでよ~。」
と、笑うこいつに、
「あー!うざい!
その貼り付けたみたいな笑顔いい加減やめてよ!
わざとらしい!
見ててイラつく!」
そう怒鳴ってから、
親友の
葉山麻美 Hayamo Asamiの元へと向かった。
そう、あいつが、
怪しく笑いながら私を見据えるのにも気づかずに…。