「お父様はあまり甘くないほうがいいよね」


キュリオの喜ぶ顔見たさについ気合が入る。

甘さ控えめなビターチョコを選んで砕きながら料理本をめくると、なんだかほんの少し大人になった気分を味わえたアオイ。

しかし…


「来年はちゃんと自分で用意しよう…」


まだ買い物に出かけたことのないアオイがキュリオの目を盗んで材料を調達することは不可能だったため、侍女や料理人たちに協力して揃えてもらったものだ。


そしてラッピングに使用するリボンや箱は仕立屋(ラプティス)のロイが自由に使っていいと言ってくれた物の中から選別し、キュリオには赤いリボンを…そしてダルドには青いリボンを準備していた。


「…今日中にダルド様のところにも届けたいな…」


「っと、いけない…急がなくちゃ」