『…わっ…』


『……』


『…わ、私だって少しくらい隠し事が…っ!!』


とまで言いかけて…



―――バターンッ!!



『姫様っ!!お時間でございます!!』


ドドドドドッとなだれ込むように現れた女官や侍女たち。

息を切らせてただ事ではない事を思わせる表情にアオイは目を丸くしている。


『…え?え?』


『さぁお早く!こちらですわっ!!』


侍女のひとりがアオイの背をやや強めに押して広間の外へと連れて行こうとした。


『キュリオ様!大変申し訳ございません!!姫様は立派なレディになるためにも、もうベッドに入らなくてはならない時間なのですわっっ!!!』


『…何を言っている?』


怪訝な顔をしたキュリオが見えなくなりつつあるアオイの姿を視界に捉えようと一歩踏み出すと…