私だって夜のテンションの甘さ、妖艶さは知ってた


それに流されて良い場合もある


―――でも、それは相手を間違えなかったらの話。



「これは、完全にアウトだ…!」



呻くように言った私は服を一切まとっていない。


だって、相手は彼氏でも、ましてや好きな人でもない。



「…ん?朝から元気だな」



私の声で目を覚ました同僚の将斗(しょうと)だって服を着ていない。


これはダメだ、確実にダメだ。


いや、でももしかすると奇跡的になにもなかったパターンかもしれない。


昨日、飲みすぎて記憶が曖昧な私は一縷の望みをかけ、将斗に問う。







「…私たち、もしかしてヤっちゃった?」






言葉の選択が非常に生々しいのには目を瞑っていただきたい。


こちとら語句にまで気を使っていられる状態ではないのだ。