耳栓をしていても、削られる時に出るあの甲高い音はうるさく響くものだ。

今日も変わらない毎日。
削って、確認して、また削って。
特に変化は見られない。

ただそれは仕事の内容だけであって、私の生活は見事に一変した。

お付き合いを初めて、かれこれ3か月が経とうとしている。
会えない日はメールや電話でたわいのない話をし、岡田さんが来る日と週末は岡田さんの家で過ごすようになった。

次の日が仕事の時は、岡田さんがわざわざ会社まで送ってくれる。
最初、その光景をここの人達に見られた時は、やたらとからかわれたものだけど、最近はそれが普通になったのか特に誰も何も言わなくなった。
ただ「いつ結婚するのか」と、その事をしつこく言われるようになったのが難点であるけれど。

付き合ってからは岡田さんの家でご飯を食べるようになった。
毎週外食もお金が掛かるから、と大して料理も作れないのに私からそう提案したのである。

岡田さんも、その方が2人きりでゆっくり過ごす時間が出来ていいね、と快諾してくれて、仕事帰りにスーパーに寄って食材を買い、そして岡田さんの料理の手伝いをしながら一緒に作るようになった。
ご飯を食べた後、テレビを2人でまったりと見て、お風呂に入って、そして・・・。
なんとも至って普通のカップルではないか。