若菜side

昨日のよーちゃんからの電話…途中で切っちゃったんだよなぁ。

だって、彼らの話をされたから。

「あ、美和ちゃん。おはよう。」

「…若菜。おはよ。」

ふふっ

やっぱり美和ちゃんは、本当はいい子なんだと思う。

こうやって、挨拶を返してくれるんだもん。

「若菜…あんたはまだ、月華が大事?」

「…もちろん。でも月華だけじゃないよ。美和ちゃんのことも大事だよ。」

「っ…もう、やめて。月華のことも私のことも大事になんてしなくていい!」

「なら、どーしてそんな顔をするの?」

悲しそうな、寂しそうな顔。

「っ…だって!あんたが…悲しむのはもう見たくないのよ。」

え?

「月華から追い出してドン底に突き落としたのは私。けど私はっ…あんたのこと嫌いじゃないっ…嫌いになんてなれなかった…」

「美和…ちゃん…」

「それにっ…あんたが六花の藤堂だったなんて知らなかった。あんたはまたっ…こんな酷い仕打ちをっ…」

「大丈夫だよ。美和ちゃん。私はどんなことされても、平気だから。」

「平気なわけないじゃないっ!全然…平気なわけっ…ないっ!」

大量の涙を流す美和ちゃん。