生徒達で賑わう廊下を、私はただひたすら全力疾走。


「ちょっと蜂谷!!アンタまたウソついたわね!!」


目的地である自分のクラスの引き戸を開け放つとちょうど目的の人物が目の前にいた為、勢いそのままにその人の傍まで行って詰め寄った。


「ウソ……?あーー、アレ?騙される方が悪いんだよ、アハハハ」


「ふざけんな!何悪徳詐欺師みたいな事言ってんのよ!万が一本当だったら無視したらヤバイと思って職員室行ったのに、無駄足だったじゃない!!」


クラスメイトが何人かいる教室に、私の怒声と目の前の男の淡々とした声が流れた。