────あれから、季節が流れて。
彼女も、彼らも、私たちも。
ほんの少しだけど、大人になった。
胸元についたピンクの造花と、久しぶりに履いたローファーのつま先を視界に入れる。
だいちゃんと再会したあの日から。
気づけばもう、1年とちょっとの時間が経っていた。
なんだか。
…すごくすごく、早かった気がする。
──寒かったのがいつの間にか暖かくなって、桜が咲いて散って。
夏になって、白龍のみんなでまた旅行に行って。
秋には、お母さんとだいちゃんの家族と、あの街に行って。
冬、ようやくお母さんと一緒に暮らし始めて。
───…沢山ことがあって、気づけばまた、桜の咲く季節になっていた。
そう、あまり実感がないけれど、私たちは今日───沢山のことがありすぎたこの学校を“卒業”する。