彼女に触れてしまうところだった。


赤い雫が滴る左手に視線を移す。


汚れた自分の血。


この血が流れているから僕は独りになってしまった。


いや、血の性じゃない。


原因は僕の不安定な心情だ。


彼女は僕のもとにいてくれると、破ることのできない約束してくれた。
けど、僕のさっきの行いで彼女は僕をきっと嫌うだろう。

自分の方からスキンシップを取っていたのに僕の事情でいきなり彼女を拒んでしまった。

面倒くさい奴だと思うだろう。



最初は彼女を自分の手から守ろうと思って決めた罰なのに。


彼女を傷つけ、また「独り」になろうとしている。


馬鹿なのか、僕は。


最愛の人まで、失くすのか。


僕のせいで。


ボクノ セイデ

タイセツナ ヒトガ イナクナル


寒気と吐き気で死にそうだ。