狩りからしばらく経っての事。

姫はずっと部屋に閉じ籠っていた。


姫が部屋に閉じ籠っているの今に始まった事ではなく、昔から父に叱られた時や武芸の稽古が嫌になった時、家臣にバカにされた時などに部屋に引き籠ることが多々あった。


だが今回は少々引き籠る期間が長い。

今までは長くて2週間は部屋に籠っていた。

そして籠っている間はトイレ以外に部屋から出ずに、食事は家臣に部屋まで持ってきてもらっていた。


そんな生活が今回は1ヶ月経つのである。

余りにも引き籠り期間が長すぎる為、普段は姫に無関心な家臣も流石に心配になってくる。


もし、自分が悪口を言ったせいで姫が心を病んで病気になったらどうしよう。



そんな事を考える家臣が多くいた。



そんな時に姫の忠実なる家臣福留親政が姫の部屋の前までやってきた。


福留親政は先日まで本山茂宗の戦いに参加しており、1ヶ月以上姫と会っていない。



1ヶ月の間、主君国親と共に土佐七雄最強と言われる本山と戦い、長期戦の末に大敗をしてしまった。


激しい戦いで福留も左腕を骨折するという大ケガを負った。

現在は圧倒的劣勢で、いわゆる滅亡の危機でもある。


しかし、滅亡の危機だからこそ姫を守りたい。

そう思った福留は姫に会いに来た。