制服の内側は悲惨。
誰も見ないと思ったから二の腕も
脇腹も太もももみんな一度は切ってある。
それをいま
嬉しそうに松本が眺める。

誰も来ない図書室に
閉館の札を下げて
一階に降りる。
うちの学校の図書室は
普通より少し広くて一階と二階がある。
入り口は二階にしかなくて
図書室の一階は他の校舎から
独立してる。
窓がほとんどなくて薄暗い。
しかも専門的な古いほんばかり。

だから誰も来ないことを
私たちはしっている。