電車の吊り革に摑まっている雛罌粟。

相変わらず無口無表情、何を考えているのか分からない印象を受ける。

が、それを『大人しそう』と受け取る者もいるようで。

「…………」

雛罌粟の制服のスカートの上から、尻を撫でる節くれだった手。

満員の車内で偶然当たってしまったようでもあり、故意に触れているようでもある。

どちらとも判別がつかず、されるがままにしている雛罌粟。

それに気を良くしたのか、手は雛罌粟の尻を鷲摑みにする。

不快な動きを繰り返す指。

やがて手は、服の上からでは満足いかなくなったのか、雛罌粟のスカートの中に侵入しようとして。