「きゃ!」

放り投げられ、美奈は薄汚れた床に倒れた。

コンクリートの床の冷たい感触。

薄暗い部屋。

目が慣れてくると、その床に何か描かれているのが見える。

以前象男に攫われた時にも見た、幾何学模様。

…魔法陣。

しかも赤黒い血のような色で描かれた、不気味な魔法陣だった。

そこにあったのは、魔法陣だけではない。

「美奈さん?美奈さん!」

聞き覚えのある声がする。

そこにいたのは、後ろ手に縛られた環だった。