クラス替えから2ヶ月が経過した。


街はクリスマス間近という事でイルミネーションで飾られ、花屋ではポインセチアが店頭にずらりと並ぶ。
初雪が積もらずに溶けて消えるのを見て、子供は残念そうに、大人はこれから来る季節にうんざりとする。


魔法学校の生徒達も、雪を見てテンションがあがるも、これから大変だなと考え息をついてしまう辺り、大人に近づいていると感じてしまう。

だが、そんな事を考えていられるのはほんの一部の生徒だけ。


ほとんどの生徒は、迫り来る期末試験の勉強に追われていたのだった。



「「勉強教えて下さい‼」」


ティアの部屋にも試験勉強に追われた二人の生徒が教えを請いに来訪していた。

入学して3ヶ月、ティアも学園生活に慣れてきていた。

部屋のリビングは何故か皆の集合場所になるのですっきりと片付き、無駄なものが一切置かれていない。
逆に、リビングの奥にある寝室はティアの私室となっていて、製作途中の、入学してすぐに倒した巨大蛇の皮で作られているバッグなど、様々なものが置いてある。


今来訪者、アンジュとユーリがいるのは片付いているリビングの方で、二人とも土下座してティアに頼み込んでいた。


「頼む!魔法決闘部の大会で今までほとんどちゃんと勉強出来なかったんだ!」

「この期末試験は合宿にも影響するから、どうしても失敗したくないの。
わたしみんなと一緒に合宿行きたくて…」