学校に入学して１ヶ月─

残暑も過ぎ去り、街の子供達がお化けの仮装の準備を始める頃。

魔法学校の一年生にはクラス替えが迫っていた。

入学して１ヶ月したら生徒の進路にあわせて頭脳派クラス、肉体派クラス、総合クラスにクラス替えを行う。

又、頭脳派クラスを選んだ生徒を成績順に並べ、奇数番号を頭脳派Ａクラス、偶数番号を頭脳派Ｂクラスに分ける。
だからＡクラスもＢクラスも総合して差はほとんどない。
これは肉体派クラスも総合クラスも同じだ。

こうして計６クラスにクラス替えをするのだ。

自分の進路を決める第一歩。
一年生達は街に飾られたジャックオランタンを眺めつつ、友達や先生に相談しながら真剣に自分のいきたいクラスを考えていた。


前々からいきたいクラスが決まっていたティア達も、昼休みのカフェでの話題は自然とクラス替えについてになっていた。


「ねね、みんなクラスどこいくの？」

「俺は肉体派クラスにいくつもりだぜ。
将来軍に就職したいんだ。
確かレインも肉体派クラス希望だろ？」

「そうですね、そのとおりです。
あなた達はどうなんですか？」

「私は頭脳派クラスにしようと思ってる…。
だって運動苦手だし嫌いだし、そんな仕事にも就きたくないし……」

「相変わらずだねーユールも。
あ、私も頭脳派クラスにするよ！
研究者とかかっこよくない？ユリア博士！みたいな」

「ユリアも相変わらずよ…。
アンジュは総合クラスなのよね。
私も総合クラスにしようと思ってるのよ」


ティアが総合クラスの希望を口にしたとたん、退治屋を継ぐ意志を知っている皆は一斉にティアを注目した。


「そうなのか？てっきり肉体派クラスいくもんだと思ってたんだけど」

「総合クラスが自分の夢に一番近かったのよね」

「夢？」


ティアの夢をちゃんと聞いたことがない皆は顔を見合わせた。

そんな彼らの様子を見てティアは一人、ふふふと笑っていた。