昼休み等の自由時間は学校の外に出てもいいことになっていて、生徒は皆不味い学校の食堂には行かず、街に出て食事を摂っていた。

ティアとアンジュも校門でユリアと合流し、生徒に人気だというカフェに行き、日替わりランチセットを頼んで待っていた。


「ねえ、そっちのクラスどんな感じ?」

「あのね!ティアがすごい魔法出したり難しい問題解いちゃったりするからティア人気者になっちゃって。
しかも一緒にいるわたしまでなんかすごいみたいな感じになっちゃったの。
ティアのせいで大変だったんだよー」

「それは別に私のせいじゃないわ。
アンジュが可愛いからよ」

「絶対違うもん!
そだ、ユリアのクラスはどうだったの?」

「んーアンジュのクラスとほとんどおなじだと思うけど……。
あ、そういえばすごい人達いたよ!
眉目秀麗、頭脳明晰、品行方正、スポーツ万能!って感じの三人組!」

「三人組?」


ようやく出てきたランチのパスタを頬張りつつ興奮した様子で話すユリア。
ティアとアンジュは話の内容に興味深いと耳を傾ける。


「男の子と女の子の双子と、もう一人仲の良い男の子の友達って感じ。
すんごい難しい問題たっくさん出されたのに全部正解して、模擬戦もやったんだけど相手一瞬で潰したりして」

「まず授業内容が厳しすぎて全然わたし達のクラスと同じじゃないんだけど……
でも、その三人組気になる!
ねね、どんな感じの人達なの?」

「んっとね…あっちょうどあんな感じよ!」


ユリアが指差した先には騒がしい大きな人だかり。
よく見ると、なんとも美形な三人組が面倒そうに対処している。

と、ふとティアはその内の一人の黒髪男子と目が合った。

すると彼がティアに向かって真っ直ぐ歩いてきた。
一緒にいた二人と周りの群衆もついてくる。


「ちょっこっち来たよ?!
っていうかあれさっきしゃべってた三人組じゃ……?!」

「……」


ユリアの慌てぶりとアンジュの怖がりぶりに構わず黒髪男子は歩みを進め、ティアの前に仁王立ちになった。