はあっ。

白い息で手を温める。

「さみー。」


19時30分。


今、俺はS高校の校門にいる。

俺の通うA高校と同じ街にあるため、割と交流が深い高校だ。


なぜ、俺がそんな高校の校門に居るのかというと──


「悠也-ゆうや-!」


白いコートに身を包んだ華奢で小柄な女の子。

美しく艷やかな黒髪で、

小さい顔はよく整っている。


付き合って半年の彼女、

陽菜-ひな-を待っていたからだ。