飲みかけの缶チューハイと、空になった缶ビール。
開けなかったおつまみが袋に入ったまま。
侍プリンの空いた容器が2つ。


それらはそのまま放置されて、朝を迎えた。


2つベッドがあったのに、昨夜はくっついて眠りたくて啓さんのベッドに一緒になって横になったため、目が覚めたら隣に彼が寝ていて密かにニヤニヤした。


夢じゃない。
幸せが続いている。


閉じられた瞼から伸びる睫毛、ロンTからのぞく鎖骨にあるホクロ、ちょっと開いてる口。
これはきっと寝ている時じゃないとじっくり見られない。


昨日愛しつくされた私の身体は、動かして分かったけれどものすごい筋肉痛に見舞われていた。
別に変なプレイをしたわけでも、妙な体勢を強いられたわけでもない。
ただただ啓さんはパワフルだったのだ、想像以上に。


「体力だけは自信があるんだわ」


と言って暗闇でニヤリと笑ったあの顔は、いまだにある意味恐ろしくて脳裏に浮かぶ。
まぁ、それでも彼に応えたいと頑張った私に自分で心底拍手を送りたいと思ったりして。


裏表反対の部屋着を見下ろして、きっと昨日朦朧とする寝ぼけた頭で適当に着たせいだと気がついた。
今の仕事を始めた初日の疲れと似ていた。心地いい疲れ。


喉が渇いたので、そーっとベッドを抜け出して洗面所へ。
コップに水を汲んで部屋に戻ると、啓さんが目を覚ましていた。