ジリリリリ
けたたましいベルの音が鳴り響く。

「全員動くな!」

銃を突きつける人影。
目の前に並ぶのは数々の光り輝く宝石。
宝石強盗だ。

「ここにいる全員 向こうにいけ!変な真似したら撃つぞ!」

宝石強盗は銃を向けて脅した。
全員向こうに行くのを確認した宝石強盗は ショーケースを開け 中の宝石を取り出した。
用意してあった鞄に無造作に投げ込んでいった。
あらかた詰め終わった宝石。
扉に向かって逃げようと足を進める。
だが…
「動くな!」

全員の中の1人が叫ぶ。
宝石強盗はその声の方を向き 驚愕した。

「警察だ!もうお前の逃げ場はない!」
警察と名乗る人物が宝石強盗に銃を向けていた。

「…サツがまぎれてたのか。」
宝石強盗は小さく舌打ちをし 手を上にあげた。
「銃をこっちに渡しなさい」
警察を名乗る人物は刺激しないように促す。
宝石強盗は持っていた銃を放り投げて渡した。
銃を拾おうとかがむ警察。
だが…。

「おっと 人質を安全に返してほしけりゃ その銃をこっちによこしな。」

警察がバッと顔をあげると ナイフを手にもつ宝石強盗、そして 1人の人質。
宝石強盗は警察の目が逸れたスキに1人の人質をとったのだった。
「くっ…卑怯なやつめ…」
警察は顔を歪める。
手に持っていた銃を宝石強盗へと渋りながら投げる。
宝石強盗は器用に受け取り人質へと銃口を向けた。

「形勢逆転、だな。おまわりさんよぉ」

宝石強盗は皮肉たらしく笑った。
そしてグッと引き金をひいた。

「やめろぉぉぉぉぉぉ!」

パアン…!