いつも通り魔女─ネリネ─が本を読んでいたとき。

突然、穏やかな白銀の光を纏った魔法陣が現れました。

じっと見守っていると、中からはお姫さまが出てきました。


「お姫さま……」
 
「ネリネ!会いたかった……!」
 

ネリネが何かをいう前に、お姫さまはネリネに駆け寄り、抱きしめました。
 
ネリネは、戸惑ったように視線をさ迷わせ、そして、恐る恐るお姫さまの背中に、自分の両腕を回しました。
 
 
「わたしも、会いたかった、よ」
 

ぎこちなく言ったネリネの声を、お姫さまは微笑みながら聞きました。