その頃、お城では、お姫さまの誕生パーティーも終わり、すでに日も落ちていました。

空には星が瞬き、お姫さまの目に光を届けています。


「姫さま、そろそろお眠りください。お休みの時間ですよ」

「わかったわ、おやすみなさい」


窓の外を眺めていたお姫さまが部屋の扉を振り返ると、そこには、お姫さまが小さな頃からお姫さまの世話をしていた乳母がいました。


乳母への挨拶を済ませるとお姫さまはドレスを着替え、寝る準備を始めます。

そうして着替えていたとき。ふと、今日もらった、雪の結晶をそのまま固めたような美しいイヤリングが目に留まりました。


お姫さまは、それをくれた黒い衣を着た、自分と同じくらいの年の少女を思い出しました。