間宮 幸子、29歳。
あることを除けば、どこにでもいる普通のしがないOLだ。


あることというのは、私の運の無さ。


折角、両親が『幸せな子になりますように』と付けてくれた名前が号泣するくらい昔からツイてない。


別にものすごく不幸な人生だったわけではないけれど、ちょこちょことツイていない私の人生。


そんな中でもめげずに頑張って生きてきたのに、今日は心が折れそうなほどツイてない。


後輩が急に熱を出し、その子の仕事が全部私に回ってきた。


急な残業で、結局昔の仲間との夕食の予定もダメになったし。


この歳になると、皆家庭があったり、仕事が忙しかったりでなかなか予定が合わず、今回も数年振りに会う子だって居てすごく楽しみにしていたのに。


でも、ここまではよくあること。
ひどいのは、ここからだ。