あの日社長と呑んでから、数日がたった。


当然のことながら、社長とは会っていないし、連絡もしてない。


胸にぽっかり穴が空いたみたいな気分だ。


この気持ちはなんなのか気づきたくない。気づいてはいけない。


あの日以来、気のせいだって自分に言い続けている。


だって、あのイケメンで仕事が出来るって有名な社長と二人で呑んだんだよ。


そりゃ、ドキドキもする。誰だってするはずだ。
私が社長に特別な感情を抱いているからじゃない。


あんな、セレブの世界に爪先だけでも足を入れたんだ。


社長の過去なんて聞いちゃって。

現実に戻ったら、そりゃ寂しくもなるさ。


さあ、仕事仕事。
頭を振って気持ちを切り替えたら、もう一度パソコンに向かう。


すると、頭上から課長の声が聞こえた。