「あれ?」


いつもの通学路。


ひょこひょこと足を引きづりながら歩いている子猫を見かけた。


わたしはその茶色のまだら模様の猫を抱き上げた。


「おまえ、一体どうしたんだ〜?」


その引きづっていた右の後ろ足を見ると、どこかに引っ掛けたような傷口から真っ赤な血が流れ出てた。


(かわいそう……)


わたしは肩からかけていたスクールバッグの中からハンカチを取り出し、子猫の傷口に巻いてあげた。


「これで大丈夫だよね…?」


私が巻いた真っ白なハンカチが包帯みたいに見えた。


「あ、やばいっ。遅刻しちゃう!じゃあね!」