現在あたしたちは森の中に入っています。

もう夜だから雰囲気が全然違う。


「あっ、見えてきた。」

見えてきたのはボロボロの建物だった。

あれが噂とされた刑務所か…建物はヒビが割れ今にも崩れだった。

廃刑務所に近づいて中を覗くと中は荒れていた。

檻は錆び付いていてガラスの破片や書類らしき紙が散乱している。

あたしたちは勇気を振り絞って中へと入った。

「高岳くん、まず何から調べる?」

「まず、近くにある取調室に行ってみよう。」


取調室に入ると長いこと使われてないせいか机と電気がボロボロで椅子の脚が壊れていた。


「写真撮ろう。」

高岳くんはリュックの中からカメラを取り出し適当に取調室を何度も撮った。


高岳くんが写真を撮っている間、あたしは懐中電灯を取り出し何かないかを探した。

特に何もなさそうだ。

「よし、これだけ取れば充分だ。次行くぞ。」

もう取調室には用が済んだためあたしたちが取調室を出ようとした瞬間。


ガタンっ!


え?

後ろから何かが音がした。

振り向かとさっきまであった椅子が倒れていた。

「おい、行くぞ。」

「う、うん。」

急いで取調室から出た。