優雨side

その日の放課後

どことなく疲れたまま教室を出て、

靴箱に向かう。

ほんと、ただただ疲れた…

今は久瀬君のこと考えたくない…

そう思っていても、

廊下には泣いている女子が必ず目に入る。

「久瀬君ね、私の名前すら知らないと思うの!でも私諦められなくてっ…!」

「もういいよ、きっといい人見つかるよ」

とか…

「一目惚れだったの…!
実際は毎日見てたけど、あの修学旅行の日…!」

「一目惚れなんてあてにしちゃだめよ。
また次見つけな、ね?」

…とか。