ケータイ小説 野いちご

この作品のキーワード

泣いてもいいよ。

◆友達と「ありがとう」





 和泉くんに励ましてもらった翌朝。

 普段より少し早めの時間に学校へ向かった私は、登校ラッシュで賑わう校門前に立ち、ある人物がやってくるのを待っていた。

 すれ違いざまに色んな人達から視線を向けられ、恥ずかしさで耳のつけ根まで赤くなる。

 雑念を払うように首を振り、胸に手を当てながら深呼吸を繰り返していると、道路の向かい側からよく赤い自転車を漕いでやってくる千夏ちゃんの姿が見えて。

「ち、千夏ちゃん……っ」

 自分の存在を報せるために校門前から大きく手を振り、千夏ちゃんの側まで急いで駆けて行った。

「唯!?」

 びっくりした様子で自転車から飛び降り、通行人の邪魔にならないよう道路脇に自転車を停めて私がやってくるのを待つ千夏ちゃん。

「千夏ちゃん、おはよう……」

「おはよう……ってゆーか、いきなりどうしたの?」

 なんて答えればいいのか咄嗟に思い浮かばず、スカートの裾をぎゅっと握る。

< 80/ 365 >