「びっくりしたでしょ?大家族だから。しかも大翔と祐は20歳違いなのよね」

「そ、そうなんですか?」

「まさか、20歳で弟が出来るなんて夢にも思ってなかったし、人にはなかなか言えないけどな。こらっ、大翔、なつみ。まだ食うな」

リビングに通され、手土産を渡すと優木くんに座るように言われ、ソファに座らせてもらうと、お母さんが紅茶を淹れてくれた。

いただきますと口を付けながら、チラリと横を見るとダイニングテーブルに置かれたチキンをなつみちゃんと大翔くんがつまみ食いをしている姿。


可愛いな。私もよく隆太とつまみ食いをして、お母さんに怒られたっけ。


「だって、できちゃったんだもん。パパ、いつもいないからたまに会うとなんていうか、我慢出来なくって」


「バカ!そんな話、子どもや葵の前でするなよ」



とても可愛らしいお母さん。甘え上手で上品なお嬢様。もしかして、優木くんの好きな人ってお母さんに似ている人なのかもしれない。