那覇空港に着いて外に出る。

梅雨が明けた沖縄は、日差しが強くて真夏そのものだった。

「…暑い」

「莉奈。暑いと思うけど、長袖着て。
日差しが強いから、すぐに焼けちゃうわよ」

「はーい」

言われた通り薄い春物ジャケットを着て、帽子を被る。

その間、綾子さんは携帯で、どこかに電話をかけていた。

「もしもし。空港に着いたけど、誰が迎えに来るの?
海って…大学じゃないの?
休ましたって…」

綾子さんの慌てた声。

「ん…解った、海に電話して見る。ありがとう」

と言って電話を切った。