『あ、隣よろしく』


入学式の日、私、早野真桜に気さくに話しかけてきたのは見るからにイケメンの男子だった。


『あ、よろしくねっ』

私も笑顔で返す。



『名前は?』そのイケメンが聞いてくる。


『早野真桜です。』

『真桜ちゃんでいい?あ、俺は一宮和真だから。和真でよろしく』



『あ、うん。よろしくね』


そのイケメンの名は一宮和真だった。


『ねえっ!真桜の隣の子イケメン過ぎないっ?』

同小の明香(さやか)がコソッと言った。


『だよね』


私もそう言った。



そして、あれから一週間後



『ねえねえ、真桜ちゃん。マッキーかしてっ!』

和真くんが頼む。


『あ、いいよ。和真君はなまえペンでいい?』


『いーよ。』


『はい。』

『ども。サンキュー』



常に和真君は軽くて気軽だった。


そして、授業が始まった日



『やっべー!国語のきょーかしょ忘れちまった。わりいけど真桜…真桜ちゃん貸してくれない?てか、見して』


『あ、うん。いいよーっ』


明らかに入学式の会話より軽くなってた。


      ことに比例して


『か・ず・まく〜ん♡』

とみんなも和真君に話しかけ始めた。


和真君はみんなにおんなじリアクションなので気兼ねなく喋れた。


授業中


和真君は寝ていてしまった。



恐い教師の時間に。


明らかに和真君を睨んでる


ツンツン


指でつっつく


がばっと和真君は顔を上げた。


『え、え、俺寝てた?』


明らかに寝てたのに聞いてくる和真君が面白かった。


『ふふっ』


私が笑うと

和真君は恐い教師にペコッとした。


『もう寝ないでよ!』

私が釘をさすと和真君は


『わかりまーしーた。』

と笑いながら言った。