「家族か……」



二人で約束を交わしてからすぐに翔斗はやることがあるからと言ってどこかに行ってしまった。



だからあたしは部屋にひとりぼっち。



誰もいないから、いつもは聞こえないのに時計の秒針がカチカチと聞こえてくる。



もう15分経ってる……。



家族と言ったら血が繋がってて、一緒に住んでて、小さなグループ。



何個か小さなものを作って、それを一つに表すのもいいかもしれない。



翔斗にスケッチブックを見せてもらおうとしたけど、想像しにくくなるからダメだって言われて彼の部屋に戻されちゃったし。



「何にも浮かんでこないよー」



あたしは自分の部屋のベッドに身を任せて飛び込んだ。