「んじゃ、朝飯食うか。」


ベッドから降りて、先生が軽やかな足取りでキッチンへ向かう。


「低血圧ってワケじゃ…ないんだ?」


残された部屋で、一人ぽつんと佇む。


(ほんとに、生活感ない部屋だな…)


必要最低限のものしか、部屋には置いてない。


(緑とか置けば良いのに…)


あまりにも殺風景過ぎる。


「千音~。目玉焼きはどんなのが好み~?」


「完全に火が通ってるのが好きです~」


「了解。」


鼻をくすぐる良い匂いがしてきた。


(お腹空いてきた。)


「私、スゴく今幸せだな…」


さっきまで先生とずっと一緒にいたのに、もう先生に会いたい。