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「!お兄ちゃん!いつ帰って来たの?!」



キィ、と月の塔の階段を登った先にある
部屋の扉を開ける。


すると、俺の姿を見たドロシーが、キラキラと瞳を輝かせて笑った。


とことこ、と俺に近づいてくる。



「さっき着いたばかりだよ。

ただいま。元気にしてたか?」


「うん!元気だよ!

お兄ちゃんいつまでここに居られるの?」



ドロシーは、少し不安そうな表情を浮かべて俺を見上げる。


会ったばかりなのに、もう別れの心配か?


…やっぱり、一人で暮らすのは寂しいよな。


俺自身も、いくらお金を稼ぐ為だとはいえ、まだ幼い子を一人ここに置いていくのは心が痛む。


俺は、ふっ、と微笑んで、妹の顔を見ながら答えた。



「今回は二週間ぐらいここに居られるんだ。

……久しぶりに一緒に料理でもするか?」



すると、ドロシーは、にっこりと笑みを浮かべて、こくん、と大きく頷いた。