お城までは結構な距離で、途中休みながらでも着いた頃には酷い息切れだった。


門には当たり前だけど守衛が立っていた。


門に近付くとすぐさま道を塞がれた。


大人二人……それも体格のいい男性。


その迫力に足がすくんでしまいそうだった。



「あのっ、ランスロット王子に会いたいんですが、御目通りをお願いできませんか!?」

「同じ学校なだけで、御目通りなど許可が下りるわけがないだろう。 悪い事は言わないから、帰りなさい」

「お願いします!! 今大変な事になってるのは分かってます!! ランスロット王子に会わせて下さい!! お願いします!!」



ずっと押し問答で埒が明かない。


深く頭を下げても、頭上からは「早く帰りなさい」と厳しい声が聞こえるばかり。


それでも頭を下げたままでいると、相手の声がどんどん厳しいものへと変わっていった。


握りしめた手が震える。



「エヴァ!!!!!」