音楽が変わり、私たちは我に返った。


途端に恥ずかしくなってきて、慌ててバルコニーに移動した。


バルコニーに居た人たちはランスロット王子を見るなり、バルコニーから出て行ってしまった。


火照った頬に手を当てると、ひんやりしていて気持ち良かった。



「エヴァ」

「は、はい!」



ランスロット王子の方を向くと、笑われてしまった。


緊張する。



「ありがとう」

「へ?」

「僕の想いを受け止めてくれて、嬉しかった」



この人はいつだって相手優先な話し方をする。



「何言ってるの。 私だって嬉しかった。 同じ想いでいられて幸せだよ」



ランスロット王子に突然抱きよせられ、私は背中に腕を回した。