それから毎日、昼休みにはその空き教室に集合した。

「...ちょ、希、ち、近い。」

「だってあなたと一緒に居たいもの。

あなたが授業休んでくれればもっと一緒にいれるのに。」

入って早々、希は俺の前に立ち塞がった。

「そうもいかないだろ。

お前、何してたの。」

「お前じゃなくて希って呼んで。

今日は授業に出てたわよ。

進級出来なかったらあなたと一緒にいれないじゃない。」

最初は名前を必要があるのか聞いてきたような人が、

今では名前呼びをしないと拗ねる始末だ。

「俺も、名前で呼んでくれないと拗ねるよ、希ちゃん。」

そう言って、そっぽを向いていつもの席に座った。

すると、希は後ろから抱き着いて、

「唯斗、意地悪。」

そう言って、頭を俺の背中にうずめてしまった。

なんで希はこうも可愛いのだろう。

必死で理性を保って、背中に腕を回して頭をなでなでした。