「おい、芙美(ふみ)、遅い」 「ええっ!待ってよ、アヤちゃん!」 靴をワタワタと履く私を問答無用で置いてこうとする幼なじみの意地悪アヤちゃん。 「その呼び方、止めろ」 「だってぇ、アヤちゃんはアヤちゃんだもの」 「……チッ」 わぁ……、仮にも好きな人に舌打ちされちゃった。 心折れちゃうじゃん。 アヤちゃんだって、昔は私のことを「ふーちゃん」とか呼んでたくせに~ なんて、文句言ったら後が恐いんだよね……