シメった草の匂い、

霧に包まれる広場、

日を焚いている匂い、

鳥の鳴き声、

薄い青に染まった空、

少しずつ明るくなっていく。


ぼくはこんな場所に住んでいる。

すごい田舎じゃないよ。

車も、スーパーもちゃんとある場所。

ただ、自然に囲まれているだけ。

風の強い日には、海の匂いが町中に広まる。

晴れた夏の日は、暑くてキツイけど、 空には雲ひとつないんだ。

雨の降っている冬は、寒くて外に出られないけど、 曇っている空を見ると昔の記憶がパッと現れて…


消えるの。

毎日の匂い、

景色、

音色は

前に学校でみんなで行ったキャンプを思い出すんだ。

何もかもがすごく似ていて、いつも思い出すんだ。

多分、

50年後、

今と同じものが見れたら、

また思い出すと思う。

どこに行ったかわからなくても、

思い出すんだと思う。

この手紙を受け取るあなたへ、

あなたがこの景色を見たら、

どう思うんでしょうね。

ぼくがあなたの日常の景色を見たら、

世界の見方は

変わるのでしょうか?

これを書いたのは、世界の誰かが私がいることと、旅に出ることを知っていて欲しいから。

ぼくはこの国や、世界を知らない人間です。

人間は知らないことを知りたくなるのは当然だから、 知らないことを知りたい。


単純な理由でごめんなさい。

読んでくれて、ありがとう。

これを読むあなたが幸せを掴めること祈ります。


Find Some Beautiful Place to get Lost.

L.