「ぎゃははは」
「ほーんとユイは怖がりだなぁ」
目の前で、お腹を抱えて笑い転げているのは、大樹とその友達の翔平君(しょうへい)。
あの時、静まり返っていた中、あたしの絶叫はもちろんロビー内に響き渡ったわけで。
ううう……
みんなの白い視線……忘れられない。
思い出しただけで、顔から火が出そうなくらい熱く火照るのがわかった。
あたし達は、一時自由行動となって各自部屋に戻っていた。
豪華にも、二人一組の部屋で。
和の中に、洋があしらわれたなんともオシャレな客室だった。
オリエンテーションで、あたしと奈々子、それから大樹と翔平の四人で一組になっていた。
そして、なぜか大樹達は女の子の部屋に居座っていたんだ。
そして、爆笑してる。
「……」
「ちょっと、あんたらッ!笑いすぎッ!てゆーか何しに来たのよッ?笑いに来たんなら帰れッ! ……うわ~ん、ほんっとごめん~ユイ。まさかそこまで怖がるなんて」
キッと鋭い視線で転げまわる男たちを睨むと、奈々子は落胆したあたしの肩に手を回した。
「…平気……。 ちょっとびっくりしただけだし。 それに、さっき言ってた事嘘なんでしょ?」
「……え」
苦笑いを返すと、奈々子はなんとも複雑そうに言葉を詰まらせた。
「…………」
うわーーーーんッ!
やっぱり来るんじゃなかったよぉぉ