「美月ちゃん!新しい家庭教師の先生いらっしゃったわよ~」

階段の下から聞こえる母親の声。
またか、とうんざりしながらもベッドから体を起こす。


今月3回目となる家庭教師。
母親はどうしても国立のいい大学に行かせたいらしくて勉強、勉強と急かしてくる。

何をどうしていい大学に行かせたいのかはよくわからないが、俺は母親の期待に答えなければならない。


しかし、なかなかいい先生は見つからない。
最初は親しくしてくれた先生も俺の無愛想さと嫌味たらしさに愛想を尽かしてしまう。


今月3回目の家庭教師は果たしていつまで続くかな?
薄笑いを浮かべると、階段をゆっくり降りていった。