「あー、やだやだやだー。球技大会だって...。暑い暑い。死んじゃうよー」



6月も下旬にさしかかった頃。



黒板に書かれている文字を見て、机に思わずうなだれる。



「のん。あんた大げさすぎ」



「大げさじゃないよ...。もう夏だよ?ただでさえ暑いのに、わざわざ暑くなることしなきゃいけない意味が分からないよー」



勉強するなら運動がいいけど...


だからといって、特別やりたいわけでもない。



体育だけで十分だと思う。



「でもいいじゃない。のん、べつに運動できないってわけでもないんだし。それに、そんなのやってるフリでいいのよ」



「あ、確かに!さすが奈々ちゃん。ずる賢い!」



「ちょっと、それどういう意味よ?」