ケータイ小説 野いちご

正しい紳士の愛し方

Episode.2 もうやめるっ!



決まらない。



ヘアスタイルが決まらない。



樹はふわっふわの猫毛を触りながら鏡の前でにらめっこしていた。


カチッと時計の針が動く。



“時間が無いぞ”



そう急かされているような気分になる。


お気に入りのショップで一目惚れしたワンピース。


今度のデートの時には必ず着ていくんだって決めていた。


それなのに、肝心のヘアスタイルが上手くいかない。


新刊のヘアアレンジ雑誌に掲載されていた髪型。



こんなことなら事前に練習しておくんだった。



美容師だからって高をくくっていたんだ。


「あぁぁぁ……もうポニーテール!」


なかばヤケクソでくしゃっと髪を結う。




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